生 老 病 死    


仮定として話すしかないのだが
人の誕生が(女の出産が)
痛みを伴わない、かつて命のやりとりのない行為であるとしたら

  諸法は(存在するものは)
  不生不滅であり(生まれることも滅することもない)
  無受想行識であり(痛みもなく、産もうという思いもない)
  空相(実体がない)であるかもしれない

仮定として話すしかないのだが
人の誕生が(女の出産が)
痛みを伴う、かつて命のやりとりのある行為であるとしたら

  存在するものは
  生まれたのであり
  痛みの中で、産もうという思いがあり
  実体があるのかもしれない

生活の繰り返しの中で話すしかないのだが
私の父は、老いて、死んだ

  私は私の契機で話すしかないのだが
  私は、病んで、老いて、(老いる前に)
  死ぬだろう

    私たち(男)は、老いや病いの「痛み」があることで
    女と対等の立場に近づけるのではないか

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